- 一眼レフでスポーツを撮るときのポイントが知りたい
- 設定の方法や注意点が知りたい
- スポーツ撮影にあると便利なアイテムもできれば知りたい
ミラーレスが主流になってきたとはいえ、炎天下のスポーツ撮影ではまだまだ一眼レフが大活躍しますよね。
僕もスナップではミラーレスもしくはコンデジをメインで使っていますがスポーツ撮影ではまだまだ一眼レフを好んで使っています。
この記事では一眼レフを使ったスポーツ撮影の設定やポイントを詳しく解説しています。
読んでいただければスポーツ撮影のレベルアップ間違いなしですよ!
僕なりに辿り着いたベストなスポーツ撮影のノウハウを惜しみなく記事にしましたのでぜひ最後まで読んでみてください。
一眼レフカメラを使ったスポーツシーンの撮り方【完全保存版】
それではこれから一眼レフカメラを使ったスポーツシーンの撮り方を解説します。
前提として写真の露出についてはある程度身についていると言う前提で進めていきますね。
もし露出についてまだ自信がないという方はこちらの記事を読んでみて下さい。
それではさっそく一眼レフカメラでスポーツを撮る際の設定から解説していきますね。
スポーツ撮影はMモード一択
はい、まずはモードはどれを選ぶのかという点ですが結論から申しますと
『 M(マニュアル)モード 』 一択です。
どのメーカーのカメラでも多くの場合はおまかせモードの他に
- Pモード
- S(Tv)モード
- A(Av)モード
- Mモード
があると思います。
エントリークラスのカメラであればスポーツモードというのがあるかと思いますがここではおすすめしません。
理由はこのあと他のモードのデメリットと併せて解説しますね。
Mモードを選ぶ理由
スポーツ撮影でMモードを選ぶ理由は単純に露出がコロコロ変わらないようにするためです。
よく「スポーツ撮影はシャッタースピード優先オートで撮れ」と教えているところもあると思いますが、シャッタースピード優先に限らずその他のオートモードはカメラが露出を決めることになります。
当然露出補正で好みの露出に近づけることは出来ますがシーンによってはかなり露出が上下してしまうことってありますよね。

あれは測光モードと被写体となる背景や主題が原因である場合がほとんどです。
簡単に解説するとカメラは明るさを測定するときに白や黒を認識して基準を決めています。
したがって白い背景や被写体の時はカメラは(ん?ここは明るい場所っぽいから少し暗めに撮っとくか)と考えますので撮れる写真は暗めになることが多いです。
逆に黒い背景や被写体の時は(お?ここは暗いから明るく調整するよ)と必要以上に明るい写真になりますね。
その明るさの測り方を測光モードで決めているのですが、ざっくりわけると
- マルチパターン測光(評価測光)
- スポット測光
- 中央部重点測光
と、3つの測光モードがあります。
このいずれにしても前述したような明るすぎ・暗すぎという写真にはなってしまいます。
これらを前提で考えたとき、スポーツシーンはユニフォームや体操着の色に大きく露出が左右されてしまうということが分かると思います。
子供の運動会でもサッカーの試合でも例外なく白という色が多くなってしまうため、オートモードではどうしても写真は暗くなりがちなのです。
露出補正を使ったとしても平均的に明るくすることは出来ますが、白い色が多い少ないというシーンによって露出はコロコロ変わってしまうという点は同じです。

なのでスポーツシーンではマニュアルモードで撮影するのがベストという結論に至っているわけです。
ただし、マニュアルモードで撮影するとしても測光モードは中央部重点測光にしておくことをおすすめします。
それは露出の基準となる露出インジケーターという露出の目安に使うインジケーターに影響するからです。
今の設定は±0ですよと教えてくれるメーターが画面内にあると思いますが、その基準は測光モードによって決まります。
後述する露出のコントロールではそのインジケーターを基にコントロールするのでマニュアルモードにするとしても測光モードはしっかり設定するようにしましょう。
露出値を決める順番
マニュアルモードで撮る理由が分かったら次は露出値を決めていきます。
露出はシャッタースピードと絞りとISO感度で構成されていますが、結論から言いますと
- シャッタースピード
- 絞り
- ISO感度
の順番で決めましょう。
スポーツに限らずですが僕の場合はいかなるシーンでもこの順番で設定しています。
理由はまず写真のミスとして一番致命的なものが「ブレ」だと考えているからです。
もちろん表現としてわざとブレを使うことはありますが、多くの場合はしっかりピントが合っていてブレていない写真が求められます。
そのためしっかりとシャッタースピードを上げて手ブレと被写体ブレの両方をカバーしていきます。

目安としては僕の場合、小学生くらいのスポーツなら1/800以上、中高生以上は1/1000以上ですね。
このくらいのシャッタースピードを確保していればまずブレは起きないと思います。
その次に絞りを決めます。
スポーツシーンでは被写体が選手になることが多いと思いますが、選手は常に動いています。
しかも俊敏な動きで動きますので絞り値もある程度高くして被写界深度を深めに確保します。
僕の場合は F8 ~ 11 の範囲で調節するようにしています。
こうすることでピントが合いやすくしかもシャープに写すことができます。
ISO感度は固定で撮っていますので露出調整はこの絞りで上下させています。
キヤノンのカメラなら大体の場合、マニュアルモードに設定すると背面ダイヤルが絞りの調節になりますので、シーンに合わせて絞りを開けて明るくしたりしています。
フィールドを撮るときとサイドラインのテントの下の選手を撮るときでは1段くらい露出が違ってくるのでF11からF8に下げて撮ると丁度よくなるなど、その日の天候や照明の度合いに合わせて調整するようにしましょう。
最後にISO感度です。
シャッタースピードと絞りを決める自然と適正なISO感度が決まってくると思います。
ISOはオートでもいいのではないかという意見もありますがあとでRAW現像などをする場合、同じISO感度の方がノイズ処理を一括で済ませられるのでISOは固定がベストという考えで撮っています。
露出インジケーターをチェックしながら適正なISO感度にしましょう。
スポーツ撮影時のオートフォーカスについて
露出を決めたら次はオートフォーカスのモードを設定します。
どのメーカーも概ね下記のようなオートフォーカス機能があります。
- 通常モード(ワンショット・AF-S)
- 被写体に合わせて通常と追従を自動で選択してくれるモード
- 被写体を追従してくれるモード(サーボAF・AF-C)
このうちスポーツシーンでは被写体を追従してくれるモードに設定します。
スポーツなどの動体撮影ではコンティニュアスAF一択
キヤノンならサーボAF、ニコンやソニーならAF-C、もしくはコンティニュアスAFと呼ばれるモードです。
シャッターボタンを半押しにしていれば動いている被写体に常にピントが合った状態で追いかけてくれますので、好きなタイミングでシャッターを押すことができます。
これが通常モードのAFだとそうはいきません(笑)
常に半押し連打をしてピントを合わせ直しつつシャッターボタンを押さなければなりません。
その上、被写体が動いていればピントを合わせた瞬間またズレますのでよく見てみるとピントが合っていないというケースも多くなります。
なので、スポーツに限らず動く被写体を撮影する際は追従モードのAFにすることをおすすめします。
スポーツ撮影時のAFエリアについて
AFモードを設定したらAFエリアも設定します。
僕としてはゾーンAFがおすすめだと考えています。
AFエリアには以下の種類を選ぶことができます。
- スポット1点AF
- ゾーンAF
- ラージゾーンAF
- 自動選択AF(スポット数は機種による)

このうち理想はスポット1点AFが好ましいです。
狙った選手をピンポイントで追いかけることができるからです。
だたプロのスポーツカメラマンならともかくアマチュアが1点AFエリアで多くの成功写真を撮るというのは相当な経験と練習が必要です。

なので慣れるまではゾーンAFをうまく使うのがおすすめです。
スポーツシーンでは多くの選手が画面に入ることになりますので特定の選手が撮りたい場合に他の選手にピントがいってしまうこともありますがF8〜11くらいまで絞っておけば多少前後の選手にピントが入ってしまっていても許容範囲です。
恐いのは1点AFエリアにしていた時に選手と選手の間にピントが合ってしまい、奥のスタンドの観客などにピントが合ってしまうことです。
こうなると肝心な選手はすべてピンボケしてしまっていますので写真としては完全に失敗写真になります。
これを防ぐためにもゾーンAFエリアで最悪隣の選手でもいいからピントをその周辺に持ってくるという保険的な意味合いもあるんですよね。
(僕はこれでかなり救われています笑)
親指AFがおすすめ
またカメラによっては親指AFが使える機種もあると思います。
カメラ背面上部あたりに「AFーON」というボタンがある機種がありますがエントリー機でも「AE-L/AF-L」といったボタンなどに割り当てることができますので説明書などを確認してみてください。
設定画面から操作ボタンカスタマイズなどの項目があるかと思いますのが通常のシャッターボタン半押しでAFが無効になるように設定することを忘れないようにしてください。
親指AFにすることでAFで被写体をピントが追い続けてくれますので好きなタイミングでシャッターボタンを押すことができます。
もちろん半押しのままできればそのままでもいいですが一つのシーンで何枚かの写真が撮りたい場合には半押しと全押しを繰り返すことになるので一瞬でも指が浮きすぎてしまうとその瞬間ピントは外れます。
これを回避するために親指AFにしているプロが多いのです。
スポーツ撮影におすすめのレンズ
カメラの設定は良くわかったけどおすすめのレンズも知りたいという方もいるかと思います。
便利ズームと言われる16-300mmなどの高倍率ズームレンズを使って撮影しているとオートフォーカスが間に合わなかったり、ピントがいまいち甘かったりと撮影から帰ってきて写真をチェックしているときになんか解像感がイマイチなんだよなと思うことありませんか?
だけどプロが使っているような300mmF2.8や70-200mmF2.8などの高価なレンズは簡単には買えないし・・・とお悩みの方におすすめのコスパ最強レンズをちょっとだけ紹介します。
一眼レフユーザーの方が多いと思いますのでCANON・NIKONのレンズだけですが良いやつありますのでチェックしてみてください。
CANON|EF70-300mm F4-5.6 Ⅱ IS USM
CANONならこれ。
僕もいまだに使うことがありますがこれは本当に優秀なレンズです。
70-300というレンジは非常に使い勝手がよく軽量コンパクトなのでスナップにも持っていくこともあります。
もちろんフルサイズ対応ですがAPS-Cのカメラで使うと112-480mmという望遠域になるので結構なレンジをカバーできます。
キットレンズやサードパーティ製の便利ズームとは比べ物にならない写りが体験できると思いますので大三元・小三元には手が届かないけどスポーツが取れる望遠レンズが欲しいという方にはぴったりのレンズだと思います。
地味にすごいのが通常撮影と流し撮りを自動判別してぶれを補正する機能で、これによりモータースポーツの流し撮りもスイッチの切り替えなど気にせず撮影できます。
またサッカーとかも一人の選手で流し撮りすることで疾走感を演出することも可能です。
NIKON|AF-P NIKKOR 70-300mm f/4.5-5.6E ED VR
さっきのEF70-300のNIKON版といっていいレンズ。
写りも申し分なくもちろんフルサイズ対応。APS-Cのカメラで使うと105-450mmというレンジをカバーできます。
SPORTモードというモードがあって左右にカメラを大きく振るような撮影で有効です。
露光前センタリングというNIKON独自の手振れ補正機構は撮影者が大きく動くような撮影では手振れ補正機構がガクガクと動いて撮影しにくいケースがありますがそれをなくしてくれます。
どちらのレンズも価格以上の性能を体感できると思いますのでおすすめしておきますね。
スポーツ撮影であると便利なアイテム
次にスポーツ撮影のときにあると便利なアイテムを紹介しますね。
スポーツ撮影は同じ場所で撮影する場合が多く、フィールドに入って撮影する場合でも基本的にはそのエリア内で移動するくらいなので多少荷物が多くてもリュックに入れておけば現場で出し入れすることもありませんのであると便利なアイテムは基本的に持っていくことが多いです。
それは以下のものです。
- 一脚
- レインカバー&パーマセルテープ
それぞれのポイントを整理していきますね。
手ぶれ防止のための一脚
スポーツ撮影は基本的には望遠レンズをカメラに装着して撮りますよね。
その重さたるや数時間の試合で常にカメラを構えるとなると相当な負担です。
いいレンズになればなるほど重さも比例しますし。
その負担を大幅に軽減してくれるアイテムが一脚です。
スタンドで座って撮る場合でも場所を取らずに周囲の邪魔になることもありませんのでおすすめです。
ライトバズーカと呼ばれる中型のレンズでも付けている人は多いですよね。

僕は筋トレしているので多少の重さなら一脚を使わないことが多いですが望遠単などの大口径レンズを使う際は流石に一脚は付けて撮っています笑
めっちゃ楽です。
突然の雨にレインカバー&パーマセルテープ
レインカバーは絶対ファインダー対応のものにしてください。
液晶画面のライブビュー撮影しかできないものはスポーツでは使い物になりませんので、しっかりファインターを覗いて撮影できるタイプを選んでくださいね。
時期によっては突然雨に降られることも多いので常にリュックに入れておくアイテムがこのレインカバーとパーマセルテープです。

大切なカメラとレンズを雨から守ってくれる重要なアイテムで高級機の強力な防塵防滴機構があっても強い雨はやっぱり不安で知人もレインカバーをつけずに撮影していて故障して数万円の修理費がかかったと聞きました。
その瞬間ポチりました笑
メーカー純正のものもありますが結構嵩張りますし重たいので僕は比較的安く軽いものを選んでいます。
ズームレンズにつける場合はインナーズームなどでない限りは伸縮の際にカバーがずれてしまいますのでパーマセルテープで固定します。
パーマセルテープでなくてもいいのではないかと思いがちなのですが、例えばマスキングテープやビニールテープでは粘着が弱く結局何回もやり直す羽目になりますのでパーマセルテープを使っています。
これでシャッターチャンスを逃すことは減りますね。
まとめ:スポーツ撮影はマニュアルで撮れ!
結論ですがスポーツシーンを撮影するなら『 アニュアルモード 』がおすすめです。
マニュアルで撮れば撮った写真のすべてが思い通りの露出になりますし、シーンによってころころと明るさが変化してしまうこともありません。
あとで見返して全体的に多少明るいな・暗いなと思っても、ライトルームなどのソフトで一括処理をすることも簡単になります。
下に設定と露出のまとめを置いておきますのでスクショなどをしてぜひご活用くださいね。
スポーツシーンにおけるカメラの設定
- マニュアルモード
- 中央部重点測光
- 追従AF+ゾーンAFエリア
- 親指AF
露出を決める順番
- シャッタースピード(1/800以上)
- 絞り(8~11前後)
- ISO感度
これがカメラの設定のまとめです。
最後にもうひとつだけ重要なことを書いておきます。
撮影するスポーツを知るべし
見落としがちですが、カメラの設定と同じくらい重要なことがあります。
『 そのスポーツを理解しているか? 』
ということです。
サッカーや野球はメジャーなスポーツなので大丈夫かと思いますが、ラグビーやアメフトなどのスポーツはまだまだルールが知られていないケースも多いと思います。
僕はアメフトを撮影する機会が多いですがルールや試合の流れを理解していないとシャッターチャンスを予測できません。
一瞬の機会は狙っていなければ撮ることは出来ません。
雑誌などで大きくアップされているスポーツ写真はカメラマンが偶然撮った写真ではなく狙って撮ったものです。
ルールや流れを理解していなければ狙うこともできませんよね。
したがってカメラの設定や操作も大事ですが、そのスポーツのことをよく知っておくことも同じくらい重要ということだけ理解しておいてください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
このブログではカメラや写真に関することを発信しています。
もし気に入っていただけたら他の記事も読んでみてくださいね。
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