- 一眼カメラを使ってきてそろそろフルオートから卒業したい
- 一眼カメラを本格的に趣味にしていきたい
- マニュアル露出で自分好みの表現をしたい
この記事では以上のような悩みを持った方に向けてカメラの露出調整をわかりやすく解説しています。
僕は普段一眼レフカメラを使ってスナップフォトをメインで活動しています。
たまに小学校やスポーツチームに依頼されて運動会やマラソン大会、高校や大学スポーツなんかを撮影することもありますので色々なシーンに合わせてカメラを操作するということにはある程度慣れています。
もちろん僕もはじめからマニュアルで露出を調整できたわけではありません。
はじめはAvモードから入ってスポーツを撮るようになってからはTvモードと、Mモードメインで撮るようになるまではオートモードを多用していました。
もちろん今でもスナップ撮影の際はISOオートにすることも多く、シチュエーションに合わせて一番効率のいいモードを選ぶようにしています。
僕も色々な本や動画を見て勉強してきましたが、あまり体系的に学べるものがありませんでしたので今回記事にしてみようと思ったわけです。
この記事の内容
- 露出の仕組みと決める順番について
- シーン別(被写体別)の露出調整について
大きく分けてこの2本です。
マニュアル露出と聞くと結構複雑に考えてしまいがちなんですが、本当はめちゃくちゃ簡単なので極力シンプルに書いています。
また露出を決める手順や考え方は人によって様々で、「絞りから決める」「シャッタースピードから決める」など参考にする人が違えば言っていることも違ってきます。
それらはすべてその人の経験によって確立されているもので、風景を撮ってきた人とスポーツを撮ってきた人とで重視するポイントが違うので考え方も違って当然です。
なのでこの記事ではあくまでも僕の考え方という点を踏まえて読んでいただけると幸いです。
それではぜひ最後までお付き合いください。
カメラの露出調整完全マニュアル【シーン別】
それではまずカメラの露出について解説していきます。
露出というのは写真の明るさのことだと思ってもらえばOKです。
- Av(絞り優先オート)モード
- Tv(シャッタースピード優先オート)モード
- P(プログラムオート)モード
などのオートモードはカメラが明るさの基準を決めて数値を調整してくれています。
ではその露出(明るさ)はどのようにして決められているのでしょうか?
それはこれから解説する3つの要素から成り立っています。
はじめはとっつきにくく難しく思うかもしれませんが超簡単なのでここでしっかり覚えてしまいましよう。
覚えることで以下のメリットがあります。
- 自分だけの表現ができるようになる
- 友達に自慢できる
- カメラが上手い人と思われる
半分冗談ですが真理です(笑)
露出の仕組みと決める順番について
露出(写真の明るさ)は以下の3つの要素で決まります。
- シャッタースピード
- 絞り
- ISO感度
この3つが絡み合って写真の明るさが決まるという仕組みです。
それぞれ役割があり以下のようなものです。
- シャッタースピード
- 動きを止めるか流すかの調整/明るさの調整
- 絞り
- 背景をぼかすかくっきりさせるか/明るさの調整
- ISO感度
- 光を感じる感度を強めるか弱めるか/明るさの調整
というような役割があります。
いずれも明るさの調整になるという点では同じですが、表現という点ではシャッタースピードと絞りは非常に重要な役割を持っています。
おそらくマニュアルモードで撮ったことのない人の多くはこの決め方がわからないという状態ではないでしょうか。
ご安心ください。上のリストの順番で決めていけばOKです。
- シャッタースピード
- 絞り
- ISO感度
この順番ですね。
シャッタースピードから決めるその理由は、失敗写真の大きな原因の一つである「ブレ」を防ぐためです。
ブレはシャッタースピードが遅い時などに発生することが多く、大きく分けて2種類のブレがあります。
- 手ブレ
- 被写体ブレ
手ブレは撮影している自分の手が動いてしまって発生するブレのことで、被写体ブレは被写体が動いて発生するブレのことです。
ありがちなのは手ブレばかりに意識がいってしまい、被写体ブレに気づかないというミスです。
被写体が動いているのは例えば子供やペットの写真、運動会やスポーツシーンを撮る時ですね。
この場合は被写体ブレが一番発生しやすい撮影シーンといえます。
(のちほどシーン別の設定で詳しく解説しますね。)
で、問題はその目安ですよね。
これにも概ねの目安が存在していてよく言われるのがこれです。
チェックポイント
1/焦点距離
焦点距離というのはレンズのスペックにある「35mm」とか「50mm」とかのことです。多くの場合はズームレンズをお持ちかと思いますので24-70mmや70-300mmとなっていると思います。
その○○mmという数字の部分を分母としたシャッタースピードにすれば手ブレを抑えられるという目安ですね。ただまったく同じ数値がない場合もあるのでその場合はそれより少し大きい数値をすればOKです。
- 35mmのレンズの場合はシャッタースピード1/40
- 50mmのレンズの場合はシャッタースピード1/60
といった感じですね。
これはかなり昔から言われているセオリーのようなものですが、最近のデジタルカメラの高画素センサーは敏感なのでこれでもブレてしまう可能性があります。
なのでできれば焦点距離に関係なく最低でも1/125のシャッタースピードを確保するのが望ましいと僕は思います。
なので先程のセオリーは知識の一つとして覚えておく程度でOKです。
標準ズームと言われる24-70mmくらいまでの焦点距離なら迷わず1/125でOKです。
望遠を使う場合はその焦点距離以上の分母にすれば概ねブレることはないと思いますが、望遠になればなるほどブレやすいという特性だけ覚えておきましょう。
露出調整:絞り(F値)編
次に絞りです。
絞りはF値と呼ばれる数値を調整することで変更できます。
絞りの役割は前述のとおり「背景をぼかすかどうか」を決めています。厳密には「被写界深度」を決めていてその結果ボケる・ボケないということです。
F値と呼ばれる数値が小さくなるほど絞りが開いて被写界深度が浅くなり、背景がボケやすくなります。逆にF値が大きくなるほど絞りが閉じて被写界深度が深くなりボケにくくなります。
このボケをどれだけ表現するかをこのF値を調整して決めていきます。
一眼カメラを買ったからにはボケを味わいたいという気持ち・・・
よくわかります。
ボケこそ一眼カメラの醍醐味ですからね。
被写体を浮き上がらせて際立たせたいという場合はこの絞りを開いてそのレンズの持つ最小F値まで開放します。
(レンズの最小F値まで絞りを開くことを「開放」といいます)
逆に奥行きのある風景で手前にも奥にもピントを合わせたいという場合にはF値を絞って被写界深度を深くします。
そうすることで手前と奥の両方にピントを合わせることができますよ。
だいたい僕は風景写真を撮る際はF9〜11くらいまで絞って撮ります。これで写真全体にピントを合わせることができます。
露出調整:ISO感度編
最後にISO感度です。
ここまでシャッタースピードで手ブレ・被写体ブレを防ぐ数値にして、絞りで表現を決めてきました。
最後のISO感度はどれくらいの明るさで撮るかという自分の好みを反映させればOKです。先に説明した通りISO感度はレンズから入ってきた光をセンサーで感じとる感度の強弱のことです。
暗い場所でも光を増幅させることで写真に適度な明るさを与えてくれます。
ただデメリットもあって、光を増幅させるということは音楽でいうとアンプと同じ役割ということです。
適度な音量なら問題ありませんがあまり大きくしすぎるとノイズが入って聞こえにくくなりますよね。
それと同じでカメラにもノイズがあって必要以上にISO感度を上げると写真にザラザラしたノイズがはいってしまいます。
なのでこのISO感度については多くの論争があります(笑)
それは
ISOは上げるな!
というものと
ISOをガンガン上げろ!
というものです。
はいまったく逆のことを言っています。
お分かりの通りISO感度を上げるなという意見はこのノイズを極端に嫌っています。フィルム時代の名残もあってか低ISO至上主義と呼ばれることもあるほど低めの設定にこだわっています。
僕はそれを否定する気はまったくなく、むしろ僕も可能な限り低いISO感度で撮りたい派です。
ただ最近のカメラは高感度耐性に優れていますので多少ISO感度を上げたところで気になる様なノイズは出ないんですね。
どこまでのノイズを許容するかは人によるので明確な区切りは難しいのですが、普通にスマホやパソコンの画面で見るくらいならまったく気になりませんし、プリントするにしてもA4サイズくらいまでならまったく問題ありません。
そりゃ拡大して細かい部分のノイズを探せば気になることもありますがそんな事をするのは僕みたいな一部のカメラマニアだけなので気にする必要はありませんね笑
そんなことよりも低いISO感度にこだわりすぎてギリギリのシャッタースピードで手ブレや被写体ブレにビクビクするよりある程度ISO感度を上げてガンガン撮影していく方が写真の上達は間違いなく早いです。
一応ISO感度も目安の様なものがありますので以下を参考にしてみてください。
- 屋外:400~800
- 屋内:800~1600
- 夕方から夜:1600~6400
- 最後の手段:6400~12800
あくまで一般的な目安ですがシャッタースピードと絞り次第では上下するので注意が必要です。また、基本的には100が基準となっていて一番画質も綺麗です。
しかしISO感度100というのは基本的に手持ち撮影では厳しい設定と言えます。三脚などカメラを固定できる場合であればそれが一番いいのですが手持ち撮影では十分なシャッタースピードが確保できずに手ブレすることが多くなるという点に注意しましょう。
露出の3要素はトレードオフの関係
シャッタースピード・絞り・ISO ISO感度の解説をしてきましたがカメラのマニュアル露出の仕組みや決める順番は何となくご理解いただけたかと思います。
はじめに説明した通りこの3つのうち、シャッタースピードと絞りの2つは写真表現においては特に重要なポイントになっています。
シャッタースピードは被写体の動きをピタッと止めるか流動性を持たせるかに大きく関わってきますし、絞りは背景をボカして被写体を強調させるか、奥までピントを合わせて全体像を見せるかに影響します。
そしてそれぞれ明るさにも大きく影響しています。
シャッタースピードを遅くすればその分、長く光を取り込むため写真は明るくなります。逆に高速シャッターにすれば光を取り込む時間も極端に短くなりますので写真は暗くなります。
そして絞りも同じようにレンズから取り組む光の量を調節していて、F値を低くすれば光を多く取り込み高くすれば絞り羽根を絞って光を通さなくします。
そのため同じISO感度を使っていた場合、シャッタースピードを高くして暗くなった分、絞りを開けて明るくするといった帳尻合わせが必要になります。
なのでシャッタースピードをある程度早く(暗く)しつつ絞りも絞って(暗く) 撮りたい場合、ISO感度を上げて写真を明るくするしかないのです。
当然感度を上げればノイズが出やすくなりますがその分、表現の幅は広がりますのでこういった関係をトレードオフと言ったりします。
さっき書いた通り最近のカメラはある程度の感度でもノイズが出にくくなっていますのでまずは自分の好みのシャッタースピードと絞りを設定してから最後に感度を調整するという流れで設定してみてください。
日中のスナップ撮影や旅行先で普通に写真を撮るといった用途であればシャッタースピードも絞りも自分の好みにしたところでISO感度もそこまで高い数値になることはありませんのでご安心ください。
ノイズについては人によって許容範囲が異なりますので自分のカメラではどこまでなら許せるノイズなのかをチェックしておくとISO感度を決める際の基準にしやすいですよ。
露出補正について
次は露出補正について便利な方法をご紹介いたします。
本来露出補正はAvモード・Tvモード・Pモードでカメラが決めた明るさの基準に対してもう少し明るく、もしくは暗くと指示を出すために使う機能です。
そのモードのメインとなっている数値だけを自分で決めて他の要素で露出を調整しています。
ではシャッタースピード・絞り・ISO感度の3つをすべて自分で設定するマニュアルモードにおいて、露出補正はいつ使うのかというと「ISOオート」にして使います。
ISOオートは非常に便利な機能で僕自身はスナップ撮影の際によく使っています。
スポーツシーンやポートレートの場合はずっと同じ場所で撮影するため一度露出を決めてしまえばしばらくはその設定で撮り続けることができるので、頻繁に露出を調整する必要がありません。
しかし街を歩きながら撮っていくスナップの場合はその環境によってころころ露出が変わります。そんな中でいちいち露出を変えていたらシャッターチャンスを逃してしまいます。
特に猫がいて(あ、撮りたい)と思ってISO感度を調整していざ撮ろうとするともうすでにいなくなっている・・・ということもよくあります笑
そんな時にISOオートにしておけばシャッタースピードと絞りは固定してあるのですぐにその環境にあった感度にカメラが設定してくれるので撮ろうと思った瞬間にすぐ撮影できるというわけです。
簡単にいうとPモードの逆バージョンですね。
Pモードはシャッタースピードと絞りをカメラが決めます。ISO感度や露出補正の度合いは自分で決めることができますが、マニュアルモードでISOだけオートにするとシャッタースピードと絞りは自分で決めてISO感度のみカメラが決めてくれます。そしてその明るさの度合いを露出補正で調整するということです。
つまりPモードは動きやボケの度合いをカメラが決めてしまっていましたがMモード+ISOオートはその表現を自分で決めて明るさのみカメラに任せるといったイメージです。
これが非常に便利な使い方で一度この方法で撮影するとずっとこの方法で撮りたくなります。
あまりにも楽なので笑
ぜひMモード+ISOオートを使ってみてください。
測光モードについて
次は意外に見落としているポイントなんですが、測光モードについて解説します。
先ほどから「カメラが明るさを決める」と書いてきました。
ではカメラは何を基準に明るさを決めているのかという点について説明する必要がありますよね。
それが測光モードによってというわけです。
測光モードとはカメラに明るさを測らせる上でどの範囲をどんな基準で決めるのかという測り方を変更するモードのことです。
ほとんどのメーカーで同じような方式が採用されていて多くは下記のモードが搭載されています。
- 評価測光(マルチパターン測光)
- 中央部重点測光
- スポット測光
例としてキヤノンの測光モードをまとめた画像を貼っておきます。
キヤノンに限らずニコンやソニーでも同じようなモードが搭載されているので自分のカメラではどのように変更するかを調べておくといいと思います。
ではこの測光モードをどう使い分けるかを一つ一つみてみましょう。
評価測光
これは非常に優秀な測光モードで人物撮影から風景写真まで幅広く使えます。
画面全体を平均的に評価して明るさを測ってくれますので被写体と背景の明るさをちょうどよく調整してくれます。
弱点は明暗さのあるシーンだとどちらかに偏った露出(明るさ)になってしまうことがあります。
部分測光・スポット測光
これはぶっちゃけどちらもそこまで変わりません笑
中心のフォーカスポイント周辺か、フォーカスポイントそのものかの範囲の違いです。
主に僕は逆光のシーンで多用します。人物を中心においた場合、後ろに太陽や照明がある場合に評価測光だとカメラが(ここは特に明るいシーンだから暗めに撮らせてあげよう)と露出を暗く調整してしまいます。
そうすると後ろの明るさに基準がいって人物が暗く写ってしまいます。
そこで測光モードをこの部分・スポット測光に変更して中央の人物に明るさの基準が来るようにします。
そうするとカメラは中央の人物を基準に露出を調整してくれますので人物を綺麗に撮ることができるというわけです。
あとは室内から外の景色を撮る場合もこちら側は暗く、外が明るい場合など特にここに露出の基準をもってきたいと思うような撮影で使うと思い通りの露出に近づけることができますよ。
中央部重点測光
このモードはフィルムカメラに搭載されていた名残と言ってもいいかもしれません。
でも意外にこのモードは使えるシーンが多く僕はいつも運動会やスポーツの撮影でこのモードにしています。
このモードは中央に比重を置いて画面全体の平均を測ってくれます。言ってみれば評価測光とスポット測光のハイブリッドともいえます。
運動会やスポーツでは体操着やユニフォームが白という場合が多く、被写体に合わせると露出が暗くなりがちです。
評価測光だと白い服が集まったシーンだとカメラが明るい場所と勘違いして暗くなり、シーンによって露出がバラバラになってしまうということも考えられます。
そんな時にこの中央部重点測光にするとバランスのいい露出になってくれます。
正直なところ
測光モードを切り替えるよりも評価測光一筋で露出補正を多用した方がシンプルでいいです。
その方法でどうしても好みの露出にならなければ測光モードを切り替えるというイメージでOKです。
他にもこの測光モードと深く関連するAEロックという機能があります。
これは測光の基準を一定の場所に固定するという機能で例えばスポット測光にして人物の顔にAEロックをして構図をずらしてシャッターを切るというような使い方をする機能です。
これはこの記事で書いているマニュアル露出の一連の操作に慣れてから学んだ方がいいと思いますのでここでは上記の説明に留めておきますね。
シーン別の露出調整
ここまでがMモードの基本的な仕組みと手順です。
ここからはMモードの操作を踏まえた上で被写体やシーン別でどう考えればいいのかという点について解説していきます。
はじめに書いた色々な考え方のまとめと思ってくれればOKです。
動かないものを撮影するとき
まずは基本でもある静物撮影(動かないもの)について考えてみましょう。
対象となる被写体が動かないのでシャッタースピードは手ブレさえしなければOKです。
なので多くの人が「とりあえずAvモード(絞り優先)で撮ればいいよ。」という理由はここにあります。
ここではMモードの操作を解説していきます。
- シャッタースピードを最低限確保(手ブレしない程度)
- 絞りでボケ具合を決定
- ISO感度で露出調整(ISOオートでもOK)
これだけです。
まずシャッタースピードを手ブレしない数値にします。
手ブレさえしなければいいのでそこまで高いシャッタースピードはいらないと思うかもしれませんが最低でも1/125秒は確保した方がいいと思います。
次に絞りで背景をぼかして被写体を強調させたいのか、または奥にあるものまでピントを合わせて表現したいのかによって絞りの数値を変えていきます。
最後にISO感度で好みの明るさに調整です。
慣れてくるとISOは固定した方が撮りやすいという人もいますのでその場合はお好みでどうぞ。
三脚を使って風景写真を撮るときも基本この手順でOKです。
風景写真ではあまりぼかすことはないと思いますので絞りはF8くらいにすると全体にピントが合います。さらにレンズの設計上F8くらいが一番解像力がよくなります。
厳密には開放F値よりも2段分くらい絞ったF値がいいとされています。
僕は風景を撮る際は基本的にF8〜11くらいで撮っていますのでこれは好みの絞り値を探していくというのも面白いですよ。
三脚を使う場合はISO100でシャッタースピードは晴れた日中は早くしたりさらにNDフィルターで調整します。(夕焼けや朝焼けなどのマジックアワーや星空を撮る時はスローシャッターです)
三脚がある場合とない場合でシャッタースピードを優先するかISO感度を優先するかが変わってきますが、三脚を使わないのであればシャッタースピードを優先してくださいね。
動くものを撮影するとき
次に動体撮影(動いているもの)です。
子供やペット、スポーツなどが主な被写体です。
動体撮影における露出の最優先事項はシャッタースピードです。
これは主に被写体ブレを防ぐために高速シャッターを意識します。
一般的には1/400以上という目安がありますが、できれば1/1000は確保した方がいいと思います。
理由はカメラの高画素化で少しのブレも敏感に写ってしまうからです。エントリーモデルのカメラでも2000万画素以上の画素数があり、十分高画素機と呼べます。
なので僕の場合、特にスポーツ撮影では1/1000を最低ラインとして撮影するようにしています。
次に絞りですがシャッタースピードを早くした分、絞りで明るくするという考えもありますが、F値が低いということは被写界深度と呼ばれるピントの奥行きが浅いということなので、被写体が動いた際にピンボケになる確率が高くなってしまいます。
なので動体撮影ではナイター撮影でどうしてもF値を低くしてシャッタースピードを稼がないといけないという状況でない限り基本的にF8〜11くらいを目安に調整するようにしています。
これは広角レンズでも望遠レンズでも同じです。
それこそオリンピックの撮影に使われるようキヤノンやニコンのプロ機などでない限り、小さいF値でジャスピン(ピントがばっちりジャストにあうこと)を狙うのはリスクが高過ぎますね笑
最後にISO感度はガンガンあげちゃいます。
シャッタースピードも早く、絞りも絞ってとなるともうISO上げるしか方法ないですから笑
それでも日中なら6400までくらいで足りますし、多少ノイズ感は出ますが全然許容範囲です。
逆にノイズばかり気にしてISOを極力低くしたいからと言ってシャッタースピードや絞りを無理に調整するとブレやピンボケを量産してしまう結果になってしまいます。
そもそもブレやピンボケの写真は意図的な表現出ない限り写真としての価値はないただのゴミデータと心してください笑
なのでブレやピンボケをするくらいならISOをガンガン上げてノイズカモーンというスタンスで撮影しましょう。
また被写体でなく、自分が動き回る撮影も基本的に同じ考えでOKです。例えば街歩きしながらのスナップ撮影もこの手順で考えれば大丈夫です。
シャッタースピードを1/125以上、できれば1/400くらいで絞りもF8。スナップ撮影なのでボケ表現はあまりしませんよね。
これでもスポーツ撮影のように極端に早いシャッタースピードではありませんのでそこまで高いISO感度は必要なく画質もある程度担保されます。
また個人的にスナップはどんどん撮っていきたいのでいちいち露出を調整する時間がもったいないと考えていて、僕はスナップ撮影に限ってはISOオートにしていることが多いですね。
露出補正もカスタマイズして任意のボタンに割り当ててスナップ仕様にしてから撮影に出かけています。
暗いところで撮影するとき
最後に暗いところで撮影するときです。
以下のようなシーンが考えられます。
- 夜景、夜空
- 結婚式や発表会など
- 体育館
このうち夜景や夜空は三脚を使えばいいので大した問題にはなりません。
問題は結婚式や体育館での手持ち撮影です。
結婚式は照明がコロコロ変わるので常に露出は変わっていきます。式場で撮影するプロのブライダルカメラマンは慣れているのでサクサク撮っていますが、実は結婚式やライブ撮影などの照明がコロコロ変わる環境での撮影は一番難易度が高いと言ってもいいと思います。
僕は結婚式の撮影はしたことがありませんが友達のロックバンドのライブ撮影をしたことがあります。
ライブ撮影も客席が暗くステージではスポットライトと逆光気味の難しい撮影といえますが、基本的には同じ設定でOKです。
まずはシャタースピードは静物撮影ではないので少し高めの1/400、絞りもピント精度を優先してF8〜11、ISO感度で好みの露出になるまで調整します。
一見するとISO感度をかなり高くしないといけないかな?と思うかもしれませんが、ステージやスポットライトに照らされた被写体を撮るので意外にそこまで高いISO感度にはなりません。
撮っているこちら側は暗くても被写体さえ明るければOKなんです。
ここでひとつポイントがあります。
測光モードを中央部重点モードにするということです。
先ほど測光モードについて解説しましたね。
デフォルトの評価測光のままだと、スポットライトが当たっていても周りの暗い部分も含めた平均値で測光してしまうため構図によって露出がコロコロ変わってしまう可能性があります。
そうすると写真を並べた際に明るさがバラバラに感じてしまうので個別に編集する必要が出てしまいます。
中央部重点にしておけばあくまで中央部を重視した露出になるのでスポットライトの当たり具合に関わらず被写体に合わせて測光してくれるので露出が一定になりやすいですよ。
もうひとつ体育館での撮影についても解説しておきます。
体育館といえば入学式や卒業式、またバスケットやバレーの試合が多いと思います。
入学式や卒業式は場合によってはフラッシュOKなケースもありますが、ここではあくまでフラッシュNGの場合について解説することにします。
ここでも基本的にはシャッタースピードから決めていけばOKです。
そこまで高くしなくても大丈夫なので1/400くらいあれば十分です。
ただしF値は少し小さめの5.6前後がいいかと思います。
8以上にしてしまうとISO感度を必要以上に高くしなければなりませんので、カメラの機種によっては写真がザラザラになってしまう可能性が出てきます。
これでISO感度もそこまで高い数値にしなくても十分綺麗な画質を保ったまま撮影ができると思いますよ。
そして最後の最難関・・・体育館スポーツの撮影です。
これは結論から言うと画質よりもブレないことを優先しましょう。
屋外スポーツと同じようにシャッタースピードは高めの1/500以上でまずは設定してみましょう。
1/1000 だとカメラの持つISO感度上限でも露出が適正な数値にならない可能性があるからです。
そして絞りは5.6前後にします。
屋外スポーツのときと同じ8~11だとシャッタースピードを最低限にしてもISO感度が足りないというケースも考えられるためです。
そして最後にISO感度を設定してみて1枚テスト撮影してみてください。
その設定で画質が問題なければOKです。
場合によってはシャッタースピードを高くできればした方がいいですがそこはISO感度とのバランスに注意してくださいね。
まとめ:カメラの露出調整はシンプルisベスト
ということで結論はカメラの設定はシンプルが一番です。
- シャッタースピード
- 絞り(F値)
- ISO感度
の順番で決めればOKです。
シーンによってシャッタースピードの目安が異なるだけで決めていく順番は全部これでOKです。
時にはISO感度は上げすぎちゃだめだよと言ってくる方もいますがお礼だけ言ってこっそり上げちゃえばいいです(笑)
あとは表現の好みによって使うF値を決めて最後にISO感度が一番縛られずに撮影する方法と言えます。
ISO感度に縛れると表現という側面ではシャッタースピードとF値が好きに選べなくなってしまうのでそれこそつまらない撮影になってしまいます。
ぜひISO感度の呪縛から解放され、自由度の高い撮影にチャレンジしてみてくださいね!
こんなに長い記事を最後まで読んでいたでき本当にありがとうございました!
このブログではカメラ関連の情報を発信しています。
ぜひ他の記事も読んでいただけると嬉しいです。
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